”一つひとつ、手作業で丁寧に”を貫く

田村農園

うちの干し柿は、糖度が高い!

 うちの干し柿は西条柿を使っています。西条柿は鳥取、中国地方でしか作られていない柿なんです。干し柿は全国どこでも作られているんですが、西条柿は糖度が20度以上になるとても糖度の高い柿で、それで作っています。「あんぽ柿」でも糖度40度以上ありますし、「ころ柿」なら糖度60度くらいになります。食べ比べていただければ違いが分かると思います。
 「ころ」というのは、昔からある干し柿の名称です。「あんぽ」というのはあま干しが転じて「あんぽ」になりました。魚のあま干し、いわゆる「一夜干し」です。ころ柿は「枯れる露の柿」と書くんです。露が枯れる、要するに水分がなくなった状態の柿が「ころ柿(枯露柿)」です。昔からこう呼ばれていました。通常「あんぽ」という言い方は、東北地方で使われています。「ころ柿」は関西のほうが多いですが、見た目が違います。

「一つひとつが、大事な商品」と、愛情をかける田村代表

 一般的な干し柿、昔ながらの干し柿は、軒先にぶら下げていればできますが、固くなってしまいます。うちでは柔らかく仕上げるために「手もみ干し柿」の名のとおり、完成までの工程で、3回から4回手揉みしています。そうすると、中の水分が外側に滲みでてきて、全体が柔らかくて表面が真っ白い干し柿に仕上がります。放っておいても白くなるんですが、手揉みすると「早く白く」なります。
 一般的な干し柿は、柔らかいところと固いところができるため、まだらになりますが、手で揉んでやれば、全体的に白くなります。「手もみ干し柿」は、1つ1つ手で揉んで、愛情と手間を一生懸命かけています。

偶然から生まれた、「手もみ」

 もともと生の西条柿を父親が生産・出荷していましたが、生産者の増加による生産過剰から、価格がどんどん安くなっていきました。柿の一部を「干し柿してみようか」という話になり、いろいろと試行してみました。ところが、10月に柿を収穫するのですが、そのまま干してもカビが生えてしまい、干し柿にはなりません。
 そこで、専門の方に相談する過程で思いついたのが「手もみ」です。しっかり乾燥させないと、干し柿にカビが生えてしまいます。最初は乾燥後に固くなった干し柿を柔らかくするために手もみしていました。
 ところが、やっているうちに「揉んだ方が柔らかく仕上がる」ということに気づきました。また、白く粉をふき始めるのが早いこともわかったんです。偶然やってみたことが、いい結果を生んでくれたんです。それから、みんなが少しでもいいものを作ろうと、さらに試行錯誤を重ねました。

「手もみ」により、柿全体を柔らかくすることが出来ました。

できる限り、自然素材で。

 柿の鮮やかな色を維持するために、一般的には二酸化硫黄で燻蒸して色変わりとカビを防止するのですが、うちでは使っていません。
 添加物を使いたくないので、熱湯殺菌しています。皮をむいた状態で、熱湯の中につけて殺菌します。そうすることで、きれいな色が残せます。熱湯殺菌せずに日にちが経つと、黒くなってしまいます。熱湯消毒は、昔から干し柿作る時にカビ防止のために家庭でも行っていたものです。特に目新しいことをしているわけではないですが、味は当然として、目でも柿の色を楽しんでもらいたいと思っています。干し柿を作るのに、いいと思ったことはどんどんやっていきたいです。

食べ方提案!

 干し柿といえば冬のイメージですが「ころ柿」「あんぽ柿」は夏の暑い時に、水羊羹のように冷やして食べても美味しいです。冷凍保存ができますので、お好みでシャーベット状のまま食べても美味しいです。湯煎したことによって見た目にも色が鮮やかなので、水菓子のようなお茶うけにもオススメです。そして実は、干し柿と乳製品は相性がよく、バターを挟んで食べると美味しいんです。薄くスライスした干し柿で、バターをサンドします。お茶うけやお酒のおつまみになります。これに、ラム酒をちょっと塗ったりすると、なお美味しくなります。
 試食してもらったこともありますが、食べられた方は皆さま本当に「美味しい、美味しい!」といってくださいました。バターが口の中で溶けていく感じと柿の甘味がちょうどよく合うんです。

妻の美智恵さん曰く、「バターを挟むと、また柿の味も引き立って美味しくなりますよ!」

自信をもってお勧めします。

 干し柿といえば「鳥取」となるくらい、知名度を上げていきたいです。特に西条柿は美味しいということを知ってもらえれば、幸せです。「ころ柿」「あんぽ柿」の名産地として町が有名になれば、生産農家も加工業者も増えて町の活性化にもつながると思います。
 最後に「干し柿の旬はいつですか」とよく聞かれますが、あんぽ柿の場合は出来たてが確かに一番美味しいです。でも干し柿は寝かせたほうが美味しくなるんです。作ったばかりの干し柿は、少し、スジっぽいというか、固いんです。1年くらい寝かせると、羊羹のように全体が柔らかくなります。ですから、「遅いほど旬」です(笑)。ぜひ、1年寝かせた干し柿を食べてみてください。

会社名 田村農園


所在地 鳥取県東伯郡北栄町米里298


担当者 代表 田村 幹雄



連絡先 0858-36-2892


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