ブラックベリーで、町を元気に!

いいだファーム

鳥取大学の”おすすめ”でブラックベリー栽培に挑戦!

 北栄町はスイカや長芋、ラッキョウなど多くの特産品があります。しかし高齢化が進み、耕作放棄地や遊休農地も増えています。
 そんな中、鳥取大学から「ブラックベリーが体に良いよ」という情報をいただき、夫と仲間たちが鳥取大学農学部の教授に会いに行きました。
 「ブラックベリーは非常に抗酸化性が高く、アントシアニンも多い」という説明を受け、実際に教授宅にお邪魔し、ブラックベリー栽培状況を視察。果実も食べさせていただきました。 皆「甘酸っぱく美味しい」と感動して帰ってきました。「みんなが健康になれば介護保険料が安くなるかもしれない」「町民にも普及させたい、町の特産品にしたい」と「北栄ブラックベリー」を立ち上げました。

「農薬を使用しない」思いを貫いて

 当初は意気揚々と、皆で作りはじめたのですが、想像以上に大変でした。「農薬を使用しない!」という大前提でしたので、結果、ミノムシやコガネムシ、毛虫などの害虫と格闘の日々。ベリーの実が害虫に食べられてしまい収穫が出来なかったり、収穫までにとても手間がかかったりすることから、思うように量産できませんでした。
 商品化を諦める方が徐々に出てきて…現在、北栄町で商品化しているのは、我が家だけです。ただ、有機肥料を使い農薬不使用で栽培するという、“初心”を貫いた結果、ブラックベリーは「鳥取県特別栽培農産物」に登録されるまでになりました。

ブラックベリーの果実。黒くなるほど、甘みが増してきます。初めて見る方も多いのでは。

ブラックベリーの実は、桑イチゴに似ています。ラズベリーと同じバラ科キイチゴ属に属していて甘酸っぱい果実です。5月にピンクの花が咲き、小さな黄緑の実がなって、それが徐々に赤くなり、実の色が赤から真黒になったころに収穫します。収穫時にはだいたい親指くらいの大きさになります。加工は、「せっかく栄養があるのに、水で薄めるのは何だかもったいない」気がして、無加水・無添加にこだわりました。酸味を抑える為、また保存期間を確保するために、グラニュー糖は加えています。果汁の色は、ルビー色で美しいのですが香りが薄いので、お酒に不向きだと聞きました。ラズベリーのような華やかな香りがあれば良いのですがブラックベリーの魅力をみなさんに伝えて「北栄町を元気にしたい・特産品にしたい、」と思っています。

 ブラックベリーは生命力が強いので、遊休・休耕農地の有効活用になりますし、収穫時には農業と福祉が連携しながら取り組めます。
 先にも述べましたが、ブラックベリーには害虫がたくさん付きます。農薬を使わないので、全部手で取らなければなりません。収穫まで、ほぼ毎日見回りをしています。害虫との戦いです。

 ブラックベリーの枝は1年で枯れてしまいますが、毎年新しい芽が株元から伸びてきて、翌年その横枝に実をつけます。実のついた枝は棚にしっかり留めて、果実が土に触れないように作業するのに手間暇がかかります。
 果実は生食できますが、収穫後すぐに酸化してしまいますので瞬間冷凍して保存します。

 ジュース1本にはブラックベリー果実約1キロ分がギュギュ~!!っと詰まっています。繊維たっぷりで、ドロッと感もありますので、ソースとしてもお召し上がりいただけます。
 ジャムはさらに煮詰めますので、とても濃厚です。酸味もあり後味さっぱりのジャムです。是非一度お試しください。

農薬不使用にこだわり続け、ようやく完成したジュースとジャム。

ここだけのお話

 ブラックベリーの実にはたくさんの小さな種が入っていています。生で食べる時は気にならないのですが、加熱・濃縮すると種は硬くなり、ザラザラした舌触りの悪いジャムになってしまいますので、種を取り除きます。これが大変な作業なのです。ブラックベリーの種を取り除く為に、裏ごし機を購入しました。手づくりなので衛生面は特に気を使います。果実・ジャムは年に度細菌検査をしていただきます。

 今後は、このブラックベリーが、北栄町の特産品になってほしいと思います。ブラックベリーを食べて、みんなが元気で暮らせる町になって、ご長寿全国ナンバーワンになったら最高ですね!

ブラックベリーへのこだわり

会社名 いいだファーム


所在地 鳥取県東伯郡北栄町大島758


担当者 代表 飯田 鈴子


連絡先 0858-22-7720


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