鳥取の梨とらっきょうが、ぎゅぎゅっと詰まったドレッシング

有限会社サンパック(いなか食品)

最初の事業のきっかけは「町おこし」です。
弊社は元々、サンパックという会社を経営しており会長が私の父親なんですが、地域おこしが大好きなんです。会長は、倉吉の赤瓦にも立ち上げから関わっていて、今も赤瓦の役員ですし、地域おこしに力を入れています。
3年前に私が社長になりましたが、「地域を元気にするために事業をおこそう!」という考え方が根底にあり、その方法として「地域の農産物を使う」「地域の特産品を作る」という流れに繋がりました。

そもそも、サンパックはパッケージの会社で、新しい商品ができればパッケージが必要になります。
商品の流通でいえば、商品の個包装、輸送用の梱包資材なども使うことになります。
結果として、町おこしで地域が元気になれば、パッケージング会社であるサンパックも元気になるという考え方で取り組んでいます。

サンパックのお客様はJAや農家の方も多く、梨やらっきょうなど含め、付加価値のある規格外の農作物が使われていないという情報を、お客様から直接聞くことができました。
使い道がない農作物は廃棄されてしまいますし、10年近く前になりますが、当時、まだ梨の商品が少なかったことから、梨のドレッシングが誕生しました。

当初は、倉吉市内の食品加工会社「宝福一」様に協力してもらっていました。いなか食品を設立したのは5年程前で、今も宝福一さんには応援いただいております。本商品は、宝福一さんのおかげで生まれた商品であり、感謝しております。

梨は傷みやすく、本当に繊細なフルーツで、皮をむくと茶色に変色するのが早いです。だから手早く加工しなければいけません。
湯梨浜町は農産物が豊富であり、特に東郷梨で有名な二十世梨が多く栽培されています。梨は傷みやすいので、東郷の地で梨の加工をすることは、梨の加工品をつくるうえで最適な場所です。
現在、「梨のドレッシング含めた加工品を、梨の産地の東郷で作る」という流れになっていますので、事業の推進が地域の活性化に繋がると思っています。

加工の様子

ドレッシングは野菜以外で試していただいても美味しくいただけます。最近は、野菜とあわせて魚や肉が入ったサラダも増えていると思います。いなか食品のドレッシングは、野菜はもちろん、肉や魚との相性を意識して商品開発をしています。
例えば、梨ドレッシングだと、梨のピューレが多く入っており、肉料理にマッチします。韓国の宮廷料理では、梨は肉を引き立てる調味料としても使用されていました。見た目でも味でも、梨が入っているとわかるようにしたいと思い、梨の食感や歯触り、二十世紀梨の酸味も感じられるように仕上げました。

その一方、二十世紀梨自体が主張しないので、味のバランスも良く、肉の味を引き立ててくれます。梨を引き立てすぎると、料理とのバランスが悪くなってしまうので、その点は非常に苦労しました。
あっさり仕上げているので、色々な料理に合わせやすく、ハムや豚のしゃぶしゃぶ、マリネにもオススメです。

らっきょうドレッシングも、「これでもか!」というくらい、らっきょうが入っています。
注ぎ口が詰まりそうなくらい入れていますが、実際開発当初はらっきょうを入れすぎたために、注ぎ口から出てこなくなりました。(笑)
商品は瓶に入ってますので、梨もらっきょうもたくさん入っているのが、視覚的にもわかります。

梨、らっきょうともに、原料をたくさん使っていますので、値段も高めで贅沢なドレッシングです。らっきょうはカレーに添えたりするように、引き立て役なんです。だから、肉や魚にかけると非常に美味しくなりますし、ごはんにかけて食べるという人もおられます。

いろんな使い方ができるので、ぜひ楽しんでいただきたいです。

梨は傷みやすく発酵しやすい、しかもすぐに変色してしまいます。デリケートな食材なので、梨の一次処理には非常に気を使っています。

また、梨は8月末から9月中頃まで、3週間程度で収穫時期が終わってしまいます。その短期間に集中してスピーディに処理することが求められます。だから、このドレッシングを作る苦労というよりも、梨の始めの処理に苦労しています。

商品はドレッシングと書いていますが、ステーキソースやハンバーグソースとしても使えます。らっきょうドレッシングは、アクセントに柚子皮を入れていますので、和風ハンバーグのような感じになります。
いろんな楽しみ方がありますのでチャレンジしてみるのも面白いですよ。カレーの隠し味にも、意外と使えるかもしれません。

商品ラインナップが少ないので、これから増やしていきたいですね。
今は、原料を加工しても業務用が大半で、梨のお菓子を作っているメーカーさんへの納品が多いです。「とりそらたかく」が販路のひとつとして、大きく育って欲しいという願いがあります。それによって、第2商品、第3商品の商品が生まれる環境が整うと思います。

「作ったけど売れない」という経験はこれまでもしているので、新規商品開発において、販路を確保する事も、とても大切だと思っています。
今後は条件が揃えば、梨が楽しめるスイーツを作っていきたいと考えています。

「とりそらたかく」が、これからどんどん事業者同士の相乗効果で広がっていけばうれしいです。

会社名 いなか食品株式会社(有限会社サンパック)


所在地 鳥取県倉吉市長坂町722-1


担当者 取締役 森 貴洋・製造責任者 杉本 力


連絡先 0858-28-5461